第二編 内国法人の法人税
第一章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
第四款 損金の額の計算
平成29年3月1日現在(未施行改正あり)
(青色申告書を提出しなかつた事業年度の災害による損失金の繰越し)
第五十八条 内国法人の各事業年度開始の日前九年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額(第五十七条第一項(青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し)又は第八十条(欠損金の繰戻しによる還付)の規定の適用があるものを除く。)のうち、棚卸資産、固定資産又は政令で定める繰延資産について震災、風水害、火災その他政令で定める災害により生じた損失に係るもので政令で定めるもの(以下この条において「災害損失欠損金額」という。)があるときは、当該災害損失欠損金額に相当する金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。ただし、当該災害損失欠損金額に相当する金額が当該災害損失欠損金額につき本文の規定を適用せず、かつ、次条第二項(同項第三号に掲げる場合に該当する場合を除く。)、同条第三項及び第六十二条の五第五項(現物分配による資産の譲渡)の規定を適用しないものとして計算した場合における当該各事業年度の所得の金額の百分の五十に相当する金額(当該災害損失欠損金額の生じた事業年度前の事業年度において生じた欠損金額に相当する金額で本文又は第五十七条第一項の規定により当該各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものがある場合には、当該損金の額に算入される金額を控除した金額)を超える場合は、その超える部分の金額については、この限りでない。
2 前項の内国法人を合併法人とする適格合併が行われた場合又は当該内国法人との間に完全支配関係(当該内国法人による完全支配関係又は第二条第十二号の七の六(定義)に規定する相互の関係に限る。)がある他の内国法人で当該内国法人が発行済株式若しくは出資の全部若しくは一部を有するものの残余財産が確定した場合において、当該適格合併に係る被合併法人又は当該他の内国法人(以下この項において「被合併法人等」という。)の当該適格合併の日前九年以内に開始し、又は当該残余財産の確定の日の翌日前九年以内に開始した各事業年度(以下この項において「前九年内事業年度」という。)において生じた災害損失欠損金額(当該被合併法人等が当該災害損失欠損金額(この項の規定により当該被合併法人等の災害損失欠損金額とみなされたものを含み、次項又は第四項の規定によりないものとされたものを除く。)の生じた前九年内事業年度の確定申告書、修正申告書又は更正請求書に第五項に規定する損失の額の計算に関する明細を記載した書類を添付していることその他の政令で定める要件を満たしている場合における当該災害損失欠損金額に限るものとし、前項の規定により当該被合併法人等の前九年内事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたものを除く。以下この項において「未処理災害損失欠損金額」という。)があるときは、当該内国法人の当該適格合併の日の属する事業年度又は当該残余財産の確定の日の翌日の属する事業年度(以下この項において「合併等事業年度」という。)以後の各事業年度における前項の規定の適用については、当該前九年内事業年度において生じた未処理災害損失欠損金額(当該他の内国法人に株主等が二以上ある場合には、当該未処理災害損失欠損金額を当該他の内国法人の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額で除し、これに当該内国法人の有する当該他の内国法人の株式又は出資の数又は金額を乗じて計算した金額)は、それぞれ当該未処理災害損失欠損金額の生じた前九年内事業年度開始の日の属する当該内国法人の各事業年度(当該内国法人の合併等事業年度開始の日以後に開始した当該被合併法人等の当該前九年内事業年度において生じた未処理災害損失欠損金額にあつては、当該合併等事業年度の前事業年度)において生じた災害損失欠損金額とみなす。
3 第一項の内国法人が次条第一項から第三項までの規定の適用を受ける場合(同条第二項の規定の適用を受ける場合にあつては、同項第三号に掲げる場合に該当する場合に限る。)には、当該内国法人の同条第一項から第三項までの規定に規定する適用年度(以下この項において「適用年度」という。)以後の各事業年度(同条第三項の規定の適用を受ける場合にあつては、適用年度後の各事業年度)における第一項の規定の適用については、災害損失欠損金額(前項の規定により当該内国法人の災害損失欠損金額とみなされたものを含み、この項又は次項の規定によりないものとされたものを除く。)のうち同条第一項から第三項までの規定により適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される金額から成る部分の金額として政令で定める金額は、ないものとする。
4 第一項の内国法人の次の各号に掲げる事業年度における同項の規定の適用については、当該各号に定める災害損失欠損金額は、ないものとする。
一 内国法人(第八十一条の九第二項第一号(連結欠損金の繰越し)に規定する特定連結子法人以外の連結子法人に限る。)の第五十七条第九項第一号に規定する最初連結期間(以下この号において「最初連結期間」という。)内に当該内国法人を被合併法人とする合併(当該内国法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を合併法人とするものに限る。)が行われた場合(当該合併の日が当該最初連結期間の開始の日である場合を除く。)又は当該内国法人の最初連結期間内に当該内国法人の残余財産が確定した場合(当該残余財産の確定の日が当該最初連結期間の終了の日である場合を除く。)の当該合併の日の前日又は当該残余財産の確定の日の属する事業年度 当該事業年度前の各事業年度において生じた災害損失欠損金額(当該各事業年度において第二項の規定により当該各事業年度前の各事業年度において生じた災害損失欠損金額とみなされたものを含む。次号において同じ。)
二 内国法人(連結法人に限る。)が第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する最初連結事業年度終了の日後に第四条の五第一項若しくは第二項(連結納税の承認の取消し)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認を取り消された場合又は第四条の五第三項の承認を受けた場合の最終の連結事業年度後の各事業年度 当該連結事業年度前の各事業年度において生じた災害損失欠損金額
5 第一項の規定は、同項の内国法人が災害損失欠損金額(第二項の規定により当該内国法人の災害損失欠損金額とみなされたものを除く。)の生じた事業年度の確定申告書、修正申告書又は更正請求書に第一項に規定する損失の額の計算に関する明細を記載した書類を添付し、かつ、当該事業年度後の各事業年度について連続して確定申告書を提出している場合(第二項の規定により当該内国法人の災害損失欠損金額とみなされたものにつき第一項の規定を適用する場合にあつては、第二項の合併等事業年度の確定申告書を提出し、かつ、当該合併等事業年度後の各事業年度について連続して確定申告書を提出している場合)であつて災害損失欠損金額の生じた事業年度に係る帳簿書類を財務省令で定めるところにより保存している場合に限り、適用する。
6 次の各号に掲げる内国法人の当該各号に定める各事業年度の所得に係る第一項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「所得の金額の百分の五十に相当する金額」とあるのは、「所得の金額」とする。
一 第一項の各事業年度終了の時において第五十七条第十一項第一号イからハまでに掲げる法人(次号及び第三号において「中小法人等」という。)に該当する内国法人 当該各事業年度
二 第一項の各事業年度が内国法人について生じた第五十七条第十一項第二号イからニまでに掲げる事実の区分に応じそれぞれ同号イからニまでに定める事業年度である場合における当該内国法人(当該各事業年度終了の時において中小法人等に該当するものを除く。) 当該各事業年度(当該事実が生じた日以後に当該内国法人の発行する株式が金融商品取引法第二条第十六項 (定義)に規定する金融商品取引所に上場されたことその他の当該内国法人の事業の再生が図られたと認められる事由として政令で定める事由のいずれかが生じた場合には、その上場された日その他の当該事由が生じた日として政令で定める日のうち最も早い日以後に終了する事業年度を除く。)
三 第一項の各事業年度が内国法人の設立の日として政令で定める日から同日以後七年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度である場合における当該内国法人(普通法人に限り、当該各事業年度終了の時において中小法人等又は第六十六条第六項第二号若しくは第三号(各事業年度の所得に対する法人税の税率)に掲げる法人に該当するもの及び株式移転完全親法人を除く。) 当該各事業年度(当該内国法人の発行する株式が金融商品取引法第二条第十六項 に規定する金融商品取引所に上場されたことその他の政令で定める事由のいずれかが生じた場合には、その上場された日その他の当該事由が生じた日として政令で定める日のうち最も早い日以後に終了する事業年度を除く。)
7 前項(第二号に係る部分に限る。)の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に同号に規定する事実が生じたことを証する書類の添付がある場合に限り、適用する。
8 税務署長は、前項の書類の添付がない確定申告書、修正申告書又は更正請求書の提出があつた場合においても、その添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第六項(第二号に係る部分に限る。)の規定を適用することができる。
9 第二項の合併法人が適格合併により設立された法人である場合における第一項の規定の適用その他同項から第四項まで及び第六項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
平成二十七年三月三十一日法律第九号の未施行内容
所得税法等の一部を改正する法律
第五十八条第一項中「九年」を「十年」に改める。
第五十八条第二項中「九年以内」を「十年以内」に改める。
第五十八条第二項中「前九年内事業年度」を「前十年内事業年度」に改める。
平成二十七年六月二十四日法律第四十七号の未施行内容
電気事業法等の一部を改正する等の法律
なし。
平成二十八年五月十八日法律第三十九号の未施行内容
漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律
なし。
平成二十八年三月三十一日法律第十五号の未施行内容
所得税法等の一部を改正する法律
なし。
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