第一章 各事業年度の所得に対する法人税
第一節 課税標準及びその計算
第五款 利益の額又は損失の額の計算
第一目の二 有価証券の譲渡損益及び時価評価損益(第六十一条の二―第六十一条の四)
平成29年4月1日現在(未施行改正なし)
(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)
第六十一条の二 内国法人が有価証券の譲渡をした場合には、その譲渡に係る譲渡利益額(第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)又は譲渡損失額(同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう。)は、第六十二条から第六十二条の五まで(合併等による資産の譲渡)の規定の適用がある場合を除き、その譲渡に係る契約をした日(その譲渡が剰余金の配当その他の財務省令で定める事由によるものである場合には、当該剰余金の配当の効力が生ずる日その他の財務省令で定める日)の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
- 一 その有価証券の譲渡に係る対価の額(第二十四条第一項(配当等の額とみなす金額)の規定により第二十三条第一項第一号又は第二号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金額とみなされる金額がある場合には、そのみなされる金額に相当する金額を控除した金額)
- 二 その有価証券の譲渡に係る原価の額(その有価証券についてその内国法人が選定した一単位当たりの帳簿価額の算出の方法により算出した金額(算出の方法を選定しなかつた場合又は選定した方法により算出しなかつた場合には、算出の方法のうち政令で定める方法により算出した金額)にその譲渡をした有価証券の数を乗じて計算した金額をいう。)
2 内国法人が、旧株(当該内国法人が有していた株式(出資を含む。以下この条において同じ。)をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の合併(当該法人の株主等に合併法人の株式又は合併法人との間に当該合併法人の発行済株式若しくは出資(自己が有する自己の株式を除く。以下この条において「発行済株式等」という。)の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式のいずれか一方の株式以外の資産(当該株主等に対する第二条第十二号の八(定義)に規定する剰余金の配当等として交付された金銭その他の資産及び合併に反対する当該株主等に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式の交付を受けた場合又は旧株を発行した法人の適格合併(当該法人の株主等に合併法人の株式その他の資産が交付されなかつたものに限る。)により当該旧株を有しないこととなつた場合における前項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、これらの旧株の当該合併又は適格合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
3 合併法人の第二十四条第二項に規定する抱合株式(前項の規定の適用があるものを除く。)に係る第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該抱合株式の合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
4 内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の行つた分割型分割により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けた場合には、当該旧株のうち当該分割型分割により当該分割承継法人に移転した資産及び負債に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、第一項の規定を適用する。この場合において、その分割型分割(第二条第十二号の九イに規定する分割対価資産として分割承継法人の株式又は分割承継法人との間に当該分割承継法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人(以下この項において「親法人」という。)の株式のいずれか一方の株式以外の資産が交付されなかつたもの(以下この項において「金銭等不交付分割型分割」という。)を除く。)により分割承継法人の株式その他の資産の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、その旧株の当該分割型分割の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「分割純資産対応帳簿価額」という。)とし、その分割型分割(金銭等不交付分割型分割に限る。)により分割承継法人の株式又は親法人の株式の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれもその旧株の当該分割型分割の直前の分割純資産対応帳簿価額とする。
5 内国法人が自己を分割法人とする適格分割型分割により当該適格分割型分割に係る分割承継法人の株式又は第二条第十二号の十一に規定する分割承継親法人株式(第七項において「分割承継親法人株式」という。)を当該内国法人の株主等に交付した場合における第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれも第六十二条の二第三項(適格合併及び適格分割型分割による資産等の帳簿価額による引継ぎ)に規定する政令で定める金額に相当する金額とする。
6 内国法人が自己を合併法人とする適格合併により第二条第十二号の八に規定する合併親法人株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該合併親法人株式の当該適格合併の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
7 内国法人が自己を分割承継法人とする適格分割により分割承継親法人株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該分割承継親法人株式の当該適格分割の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
8 内国法人が、旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。以下この項において同じ。)を発行した法人の行つた株式交換(当該法人の株主に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人の株式のいずれか一方の株式以外の資産(当該株主に対する剰余金の配当として交付された金銭その他の資産及び株式交換に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式の交付を受けた場合又は旧株を発行した法人の行つた適格株式交換(当該法人の株主に株式交換完全親法人の株式その他の資産が交付されなかつたものに限る。)により当該旧株を有しないこととなつた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、これらの旧株の当該株式交換又は適格株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
9 内国法人が自己を株式交換完全親法人とする適格株式交換により第二条第十二号の十六に規定する株式交換完全支配親法人株式を交付した場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該株式交換完全支配親法人株式の当該適格株式交換の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
10 内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した法人の行つた株式移転(当該法人の株主に株式移転完全親法人の株式以外の資産(株式移転に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該株式移転の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
11 内国法人がその有する新株予約権(新株予約権付社債を含む。以下この項において「旧新株予約権等」という。)を発行した法人を被合併法人、分割法人、株式交換完全子法人又は株式移転完全子法人とする合併、分割、株式交換又は株式移転(以下この項において「合併等」という。)により当該旧新株予約権等に代えて当該合併等に係る合併法人、分割承継法人、株式交換完全親法人又は株式移転完全親法人の新株予約権(新株予約権付社債を含む。)のみの交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧新株予約権等の当該合併等の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
12 内国法人が旧株(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した法人の行つた組織変更(当該法人の株主等に当該法人の株式のみが交付されたものに限る。)に際して当該法人の株式の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該旧株の当該組織変更の直前の帳簿価額に相当する金額とする。
13 内国法人が次の各号に掲げる有価証券を当該各号に定める事由により譲渡をし、かつ、当該事由により当該各号に規定する取得をする法人の株式又は新株予約権の交付を受けた場合(当該交付を受けた株式又は新株予約権の価額が当該譲渡をした有価証券の価額とおおむね同額となつていないと認められる場合を除く。)における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、当該各号に掲げる有価証券の当該譲渡の直前の帳簿価額(第四号に掲げる有価証券にあつては、同号の新株予約権付社債の当該譲渡の直前の帳簿価額)に相当する金額とする。
- 一 取得請求権付株式(法人がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主等が当該法人に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。) 当該取得請求権付株式に係る請求権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該請求権の行使
- 二 取得条項付株式(法人がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該法人が一定の事由(以下この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件として当該株式の取得をすることができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。) 当該取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合(その取得の対象となつた種類の株式の全てが取得をされる場合には、その取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式及び新株予約権のみが交付される場合を含む。)の当該取得事由の発生
- 三 全部取得条項付種類株式(ある種類の株式について、これを発行した法人が株主総会その他これに類するものの決議(以下この号において「取得決議」という。)によつてその全部の取得をする旨の定めがある場合の当該種類の株式をいう。) 当該全部取得条項付種類株式に係る取得決議によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式(当該株式と併せて交付される当該取得をする法人の新株予約権を含む。)以外の資産(当該取得の価格の決定の申立てに基づいて交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されない場合の当該取得決議
- 四 新株予約権付社債についての社債 当該新株予約権付社債に付された新株予約権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式が交付される場合の当該新株予約権の行使
- 五 取得条項付新株予約権(新株予約権について、これを発行した法人が一定の事由(以下この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件としてこれを取得することができる旨の定めがある場合の当該新株予約権をいう。以下この号において同じ。)又は取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債 これらの取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる新株予約権者に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該取得事由の発生
15 内国法人が旧受益権(当該内国法人が有していた集団投資信託の受益権をいう。以下この項において同じ。)に係る信託の分割により承継信託(信託の分割により受託者を同一とする他の信託からその信託財産の一部の移転を受ける信託をいう。以下この項において同じ。)の受益権その他の資産の交付を受けた場合には、当該旧受益権のうち当該信託の分割により当該承継信託に移転した資産及び負債に対応する部分の譲渡を行つたものとみなして、第一項の規定を適用する。この場合において、その信託の分割(分割信託(信託の分割によりその信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託又は新たな信託の信託財産として移転する信託をいう。)の受益者に承継信託の受益権以外の資産(信託の分割に反対する当該受益者に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されたもの(以下この項において「金銭等交付分割」という。)に限る。)により承継信託の受益権その他の資産の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、その旧受益権の当該信託の分割の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「分割純資産対応帳簿価額」という。)とし、その信託の分割(金銭等交付分割を除く。)により承継信託の受益権の交付を受けたときにおける第一項の規定の適用については、同項各号に掲げる金額は、いずれもその旧受益権の当該信託の分割の直前の分割純資産対応帳簿価額とする。
16 内国法人が、所有株式(当該内国法人が有していた株式をいう。)を発行した他の内国法人(当該内国法人との間に完全支配関係があるものに限る。)の第二十四条第一項各号に掲げる事由(第二項の規定の適用がある合併及び第四項に規定する金銭等不交付分割型分割を除く。)により金銭その他の資産の交付を受けた場合(当該他の内国法人の同条第一項第三号に規定する資本の払戻し若しくは解散による残余財産の一部の分配又は口数の定めがない出資についての出資の払戻しに係るものである場合にあつては、その交付を受けた時において当該所有株式を有する場合に限る。)又は当該事由により当該他の内国法人の株式を有しないこととなつた場合(当該他の内国法人の残余財産の分配を受けないことが確定した場合を含む。)における第一項の規定の適用については、同項第一号に掲げる金額は、同項第二号に掲げる金額(第四項、次項又は第十八項の規定の適用がある場合には、これらの規定により同号に掲げる金額とされる金額)に相当する金額とする。
17 内国法人が所有株式(当該内国法人が有する株式をいう。)を発行した法人の第二十四条第一項第三号に規定する資本の払戻し又は解散による残余財産の一部の分配(以下この項において「払戻し等」という。)として金銭その他の資産の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、当該所有株式の払戻し等の直前の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とする。
18 内国法人がその出資(口数の定めがないものに限る。以下この項において「所有出資」という。)を有する法人の出資の払戻し(以下この項において「払戻し」という。)として金銭その他の資産の交付を受けた場合における第一項の規定の適用については、同項第二号に掲げる金額は、当該払戻しの直前の当該所有出資の帳簿価額に当該払戻しの直前の当該所有出資の金額のうちに当該払戻しに係る出資の金額の占める割合を乗じて計算した金額に相当する金額とする。
19 内国法人が、有価証券の空売り(有価証券を有しないでその売付けをし、その後にその有価証券と銘柄を同じくする有価証券の買戻しをして決済をする取引その他財務省令で定める取引をいい、次項に規定する信用取引及び発行日取引に該当するものを除く。)の方法により、有価証券の売付けをし、その後にその有価証券と銘柄を同じくする有価証券の買戻しをして決済をした場合における第一項の規定の適用については、同項に規定する譲渡利益額は第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡損失額は同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡に係る契約をした日はその決済に係る買戻しの契約をした日とする。
一 その売付けをした有価証券の一単位当たりの譲渡に係る対価の額を算出する方法として政令で定める方法により算出した金額にその買戻しをした有価証券の数を乗じて計算した金額
二 その買戻しをした有価証券のその買戻しに係る対価の額
20 内国法人が、金融商品取引法第百五十六条の二十四第一項 (免許及び免許の申請)に規定する信用取引又は発行日取引(有価証券が発行される前にその有価証券の売買を行う取引であつて財務省令で定める取引をいう。)の方法により、株式の売付け又は買付けをし、その後にその株式と銘柄を同じくする株式の買付け又は売付けをして決済をした場合における第一項の規定の適用については、同項に規定する譲渡利益額は第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡損失額は同号に掲げる金額が第一号に掲げる金額を超える場合におけるその超える部分の金額とし、同項に規定する譲渡に係る契約をした日はその決済に係る買付け又は売付けの契約をした日とする。
一 その売付けをした株式のその売付けに係る対価の額
二 その買付けをした株式のその買付けに係る対価の額
21 内国法人が次条第一項第一号に規定する売買目的有価証券、社債、株式等の振替に関する法律第九十条第一項 (定義)に規定する分離適格振替国債である有価証券その他の政令で定める有価証券(以下この項において「特定有価証券」という。)を有する場合において、その特定有価証券について、同号に規定する目的で有価証券の売買を行う業務の全部を廃止したこと、同条第一項 に規定する元利分離が行われたことその他の政令で定める事実が生じたときは、政令で定めるところにより、当該事実が生じた時において、当該特定有価証券を譲渡し、かつ、当該特定有価証券以外の有価証券を取得したものとみなして、その内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
22 内国法人が、自己を合併法人、分割承継法人又は株式交換完全親法人とする合併、分割又は株式交換(以下この項において「合併等」という。)により親法人株式(その内国法人との間に当該内国法人の発行済株式等の全部を保有する関係として政令で定める関係がある法人に該当することが当該合併等に係る契約をする日(以下この項において「契約日」という。)において見込まれる法人の株式をいう。以下この項において同じ。)を交付しようとする場合において、契約日に親法人株式を有していたとき、又は契約日後に当該内国法人を合併法人とする適格合併その他の政令で定める事由により親法人株式の移転を受けたときは、当該契約日又は当該移転を受けた日(以下この項において「契約日等」という。)において、これらの親法人株式(その交付しようとすることが見込まれる数を超える部分の数として政令で定める数に相当するものを除く。以下この項において同じ。)を当該契約日等における価額により譲渡し、かつ、これらの親法人株式をその価額により取得したものとみなして、当該内国法人の各事業年度の所得の金額を計算する。
23 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の基礎となる取得価額の算出の方法、有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法の種類、その算出の方法の選定の手続その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
平成二十七年三月三十一日法律第九号の未施行内容
所得税法等の一部を改正する法律
なし。
平成二十七年六月二十四日法律第四十七号の未施行内容
電気事業法等の一部を改正する等の法律
なし。
平成二十八年五月十八日法律第三十九号の未施行内容
漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律
なし。
平成二十八年三月三十一日法律第十五号の未施行内容
所得税法等の一部を改正する法律
なし。
<H29改正>
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