2015年11月1日現在
(試験研究を行つた場合の所得税額の特別控除)
第十条 青色申告書を提出する個人のその年分(事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額(その試験研究費に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下この条において同じ。)がある場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該年分の当該試験研究費の額の百分の十(試験研究費割合が百分の十未満であるときは、当該試験研究費割合に〇・二を乗じて計算した割合に百分の八を加算した割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときは、これを切り捨てた割合)。次項において「試験研究費の総額に係る税額控除割合」という。)に相当する金額(以下この項及び第八項第四号において「税額控除限度額」という。)を控除する。ただし、当該税額控除限度額が、当該個人のその年分の事業所得の金額に係る所得税の額として政令で定める金額(次項から第六項までにおいて「事業所得に係る所得税額」という。)の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
2 青色申告書を提出する個人のその年分(事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される特別試験研究費の額がある場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該年分の当該特別試験研究費の額に税額控除割合(百分の十二から当該年分の試験研究費の総額に係る税額控除割合を控除したものをいう。)を乗じて計算した金額(以下この項及び第八項第四号において「特別研究税額控除限度額」という。)を控除する。ただし、当該特別研究税額控除限度額が、当該個人のその年分の事業所得に係る所得税額の百分の二十に相当する金額から所得税額基準控除済金額(前項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除された金額をいう。)を控除した残額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該残額を限度とする。
3 青色申告書を提出する個人のその年分(事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額がその年の前年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入された試験研究費の額を超える場合において、当該個人が繰越税額控除限度超過額を有するときは、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該繰越税額控除限度超過額に相当する金額を控除する。ただし、当該個人のその年における繰越税額控除限度超過額が、当該個人のその年分の事業所得に係る所得税額の百分の二十に相当する金額(その年において第一項又は前項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、当該金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
4 政令で定める中小企業者に該当する個人で青色申告書を提出するもののその年分(前三項の規定の適用を受ける年分及び事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額がある場合には、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額の百分の十二に相当する金額(以下この項及び第八項第五号において「中小企業者税額控除限度額」という。)を控除する。ただし、当該中小企業者税額控除限度額が、その年分の事業所得に係る所得税額の百分の二十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
5 青色申告書を提出する個人のその年分(第一項から第三項までの規定の適用を受ける年分及び事業を廃止した日の属する年分を除く。)の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額がその年の前年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入された試験研究費の額を超える場合において、当該個人が繰越中小企業者税額控除限度超過額を有するときは、その年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該繰越中小企業者税額控除限度超過額に相当する金額を控除する。ただし、当該個人のその年における繰越中小企業者税額控除限度超過額が、当該個人のその年分の事業所得に係る所得税額の百分の二十に相当する金額(その年において前項の規定によりその年分の総所得金額に係る所得税の額から控除される金額がある場合には、当該金額を控除した残額)を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の二十に相当する金額を限度とする。
6 青色申告書を提出する個人が、平成二十一年から平成二十九年までの各年(事業を廃止した日の属する年を除く。)の年分において、次の各号に掲げる場合に該当する場合には、当該個人のその年分の総所得金額に係る所得税の額から、政令で定めるところにより、当該各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。ただし、当該各号に定める金額が、当該個人のその年分の事業所得に係る所得税額の百分の十に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、当該百分の十に相当する金額を限度とする。
一 増加試験研究費の額(当該個人のその年(平成二十一年以後に事業を開始した個人のその開始した日の属する年(相続又は包括遺贈により当該事業を承継した日の属する年を除く。)を除く。)の年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額から当該個人の比較試験研究費の額を控除した残額をいう。以下この号において同じ。)が当該比較試験研究費の額の百分の五に相当する金額を超え、かつ、当該試験研究費の額が基準試験研究費の額を超える場合 当該増加試験研究費の額に百分の三十(増加試験研究費割合(当該増加試験研究費の額の当該比較試験研究費の額に対する割合をいう。以下この号において同じ。)が百分の三十未満である場合には、当該増加試験研究費割合)を乗じて計算した金額
二 当該個人のその年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額がその年分の平均売上金額の百分の十に相当する金額を超える場合 当該超える部分の金額に超過税額控除割合(その年分の試験研究費割合から百分の十を控除した割合に〇・二を乗じて計算した割合をいう。)を乗じて計算した金額
7 前項各号に定める金額を計算する場合において、当該個人が当該各号に掲げる場合のいずれにも該当するときは、いずれか一の場合のみに該当するものとして、同項の規定を適用する。
8 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 試験研究費 製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用で政令で定めるものをいう。
二 試験研究費割合 その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額の平均売上金額に対する割合をいう。
三 特別試験研究費の額 試験研究費の額のうち国の試験研究機関、大学その他の者と共同して行う試験研究、国の試験研究機関、大学又は第四十二条の四第十二項第五号に規定する中小企業者に委託する試験研究、その用途に係る対象者が少数である医薬品に関する試験研究その他の政令で定める試験研究に係る試験研究費の額として政令で定めるものをいう。
四 繰越税額控除限度超過額 第三項に規定する個人のその年の前年(当該前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合に限る。)における税額控除限度額又は特別研究税額控除限度額のうち、第一項又は第二項の規定による控除をしてもなお控除しきれない金額の合計額をいう。
五 繰越中小企業者税額控除限度超過額 第五項に規定する個人のその年の前年(当該前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合に限る。)における中小企業者税額控除限度額のうち、第四項の規定による控除をしてもなお控除しきれない金額をいう。
六 比較試験研究費の額 第六項の規定の適用を受けようとする年(平成二十一年以後に事業を開始した個人のその開始した日の属する年(相続又は包括遺贈により当該事業を承継した日の属する年を除く。)を除く。以下この項及び第十二項において「適用年」という。)前三年以内の各年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額(当該各年のうちに事業を開始した日の属する年がある場合には、当該年については、当該年の試験研究費の額に十二を乗じてこれを当該年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額。次号において同じ。)の合計額を当該適用年前三年以内の各年(事業を開始した日の属する年以後の年に限る。)の年数で除して計算した金額をいう。
七 基準試験研究費の額 適用年前二年以内の各年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額のうち最も多い額をいう。
八 平均売上金額 その年分及びその年前三年以内の各年分の売上金額(棚卸資産の販売による収入金額その他の政令で定める金額をいう。)の平均額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
9 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
10 第一項及び第二項、第四項又は第六項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に、これらの規定による控除の対象となる試験研究費の額及び特別試験研究費の額、控除を受ける金額並びに当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、これらの規定により控除される金額は、当該確定申告書に添付された書類に記載された試験研究費の額及び特別試験研究費の額を基礎として計算した金額に限るものとする。
11 第三項又は第五項の規定は、第一項若しくは第二項又は第四項の規定の適用を受けた年分及びその翌年分の確定申告書に第三項又は第五項に規定する繰越税額控除限度超過額又は繰越中小企業者税額控除限度超過額の明細書の添付がある場合で、かつ、第三項又は第五項の規定の適用を受けようとする年分の確定申告書、修正申告書又は更正請求書にこれらの規定による控除の対象となる繰越税額控除限度超過額又は繰越中小企業者税額控除限度超過額、控除を受ける金額及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
12 第八項から前項までに定めるもののほか、第六項に規定する個人が同項に規定する事業所得を生ずべき事業を適用年の三年前の年以後に相続又は包括遺贈により承継した者である場合における同年から当該適用年の前年までの各年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される試験研究費の額の計算その他第一項から第七項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
13 その年分の所得税について第一項から第七項までの規定の適用を受ける場合における所得税法第百二十条第一項第三号 に掲げる所得税の額の計算については、同号 中「第三章 (税額の計算)」とあるのは、「第三章(税額の計算)及び租税特別措置法第十条(試験研究を行つた場合の所得税額の特別控除)」とする。
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